枇杷の葉の煎汁のおすすめ 〜ガンとビワ〜

 枇杷の樹の緑が一層深くなり、葉蔭から可愛い黄色の実がのぞくのを、明日は採りたいと予定していたその早朝に鴉たちに先手を打たれてしまう。このような6月も終わりました。そして1年前の今頃のことが鮮明に思い出されます。

 13才の柴犬「小梅ちゃん」(中の雛桜女号)の左上瞼に1999年4月初め頃にポツリと出来た粟粒大の腫瘍が、だんだん腫れて来て小指の先ほどにもなったので、5月の初めに切除手術をして頂き、細胞を検査したところ、悪性腫瘍の扁平上皮癌とのことでした。小梅ちゃんは、その1年余りも前から肛門にも腫瘍が出来ていましたが、痛くもなさそうで、排便も普通に出来るのでそのままにしていましたが、こちらの方も可成り大きくなっていたので全身麻酔のついでに肛門の腫瘍も取り除き、組織検査をしてこれも悪性、瞼の方よりもっと悪性との診断を受けました。幸いに肛門は1回の手術で治癒したのですが、瞼の方はたちまち再発して10日後には前より悪くなってしまい、再び切除しました(麻酔を使わない凍結手術)。そして又再発。悪化するスピードは加速し、6月半ば頃の惨状は目をそむけるほど、記録にと思ってもカメラを向けることが出来ません。臭気も立っていました。ざくろの実がはじけたような真赤な患部の中心に直径2ミリ位の孔が残されていて、その奥の方から眼をこちらに向けて見ているのです。次の治療としては左の眼球を摘出して患部をより深く完全に取り除くこと、但しそれには長時間の全身麻酔をかけるし、元来「てんかん持ち」でその予防薬を長年欠かさない小梅ちゃんには心臓が耐えられないと思う、ということでした。口にされませんでしたが「安楽死」も獣医さんの心の中には浮かんだと思います。

 6月中旬の3回目の手術後、もうしてあげられることは何もないと途方に暮れる日々でしたが、ふと思いついたことは、息子犬の獅子桜号がその1年前に鼻腔の癌の手術を受け、ずっと大学病院から頂いている粉薬に時々「サメキノコ」と書いてあることでした。そして折しも、新聞折込広告でサメの軟骨が癌にきくこと、又、アガリクス茸も癌にきくと書いてあるのを見て、「サメキノコ」とはこのことか、と理解したのです。早速獣医さんに相談したところ、漢方薬を扱っている処で手に入るからと「効果は確かではないがどうぞ試しに」と5日分のサメ軟骨の白い粉とアガリクス(南米産)の錠剤を頂いたので、早速与えました。そして同時に用い始めたのが枇杷の葉の煎汁です。

 10数年も前に高齢の叔父が前立腺癌で入院治療中、従姉が枇杷の葉の煎汁を毎日運んで飲ませていたことがありました。叔父は脳梗塞で亡くなりましたが、その時癌はすっかり消滅していたとのことです。その事を思い出し、早速庭の枇杷の葉の煎汁で小梅ちゃんの患部を洗い、“サメキノコ”を与えて5日後、「どうやら効いています」とご報告し、引き続き獣医さんからサメの軟骨の白い粉とアガリクス茸入りの茶色の錠剤を頒けて頂いて3つのものを併用していると、1週間目位からどんどん効果が現れて、何と40日経過すると腫瘍は完全に消え、黒水晶のような澄みきった瞳が小梅ちゃんに蘇りました。肛門の腫瘍も再発はなく、ただ上瞼を切り取ってしまってあるため、まつ毛に代わる毛の生える向きが逆さまつ毛のように眼球を刺す方向に出てくるのを、週1回位、細いハサミで切り取って頂くため通院しました。1ヶ月位たった頃、その毛も自然に外向きに生えてくるようになり、切りとる必要もなくなったのは、とても不思議なことに思いました。環境に応じて身体が変化してゆく一例かと驚いたことでした。

 健康体に戻ると思われた小梅ちゃん、10月に入って一度、もうダメかと思ったことがありました。夕方の薄暮時、池に落ちたので(すぐに引き上げましたが)そのショックか、風邪をひいたのか、翌日、ぐったりして寝たきりになってしまい、熱も39.5度まで上がったので、もうこれで終わりと感じました。獣医さんからも「この癌は最長でも4ヶ月で再発する」と言われていましたから、丁度そのケースに該当すると思いました。しかし念の為に注射器(針のない)で枇杷の煎汁を飲ませたところ、一寸だけ良い方向に向かい、そこでチューブダイエット(粉状の餌で胃袋に直接入れるためのもの)を溶かして、また注射器で飲ませるなどしているうちに、5日間で回復して庭を走れるようになり、ほっとしました。

 その後まもなく木枯らしの吹き始める頃になって、以前から少し腫れていた脾臓が固く大きくなり、全身痩せてきて「若ければ脾臓を摘出するのだが」と言われ乍らも、古木が自然に倒れるように2000年2月6日に亡くなりました。横たわった遺体は乾燥度極めて高く、小さいニホンオオカミの剥製のようでした。

 癌の治ってゆく経過は何枚かの写真に収めてありますが、2枚だけこちらにUPしました。ちょっとグロテスクかもしれませんが…。きれいに治った眼もご覧頂けます。

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 お庭に枇杷の木のある方は、ぜひお試し下さるようおすすめします。煎じ方は次の通りです。

 太陽の光を一杯吸ってしっかりと育った緑の濃い葉を1〜2枚水でかるく洗い(大きなものは20cmもあります)、ハサミでチョンチョンと2cm巾に切って、1リットルの水から煮ます(ホーロー又はステンレスの鍋かヤカンが良いです)。煮立ったら弱火にして15分間。…火をとめてそのまま2時間位置くとピンクの濃いきれいな水になっています。患部につけるときはそのまま、飲むときは2倍位にうすめていますが、人畜共用の薬効があります。アトピー性皮膚炎、口内炎、歯ぐきの出血等々にも速効性を示します。新聞の投書欄でアトピーの痒み止めに枇杷の葉の煎汁が一番よいとありました。私は冷蔵庫に入れておき、お茶代わりに飲んでいます。梅酒かワイン等を一寸たらすと一層おいしいです。

 枇杷の葉には虫がつくことがありません。年間を通じて利用出来ますが、4〜5月頃の「若い新芽と枯れ落ちる前の古葉」は効き目が少なそうです。それよりも年末(大寒の頃の葉が一番良いそうです)に採った葉を陰干しにしておくと、数カ月間、やや淡くなった緑のままで保存されています。乾燥した葉の場合は少し多めに用いて煎じます。効力は変わりません。これも私の新発見でした。

 

 付記:1998年夏に鼻腔の癌を手術した「獅子桜」ですが、1年3ヶ月後には嗅覚も戻って、雌犬と交配まで出来る程でしたのに、1999年秋の風の強い日に門扉が開いてしまった処から外出してしまい、すぐ気付いて探したのですが、電車にはねられ頭部を打ったため、手当の甲斐なく4日目に亡くなりました。12才1ヶ月、あいにくの事故で残念、まだ元気にしていられた筈、母犬小梅ちゃんより先に逝ってしまいましたが、今は天国で母子仲良く暮らしていることと思います。

『柴犬研究』2000年8月掲載

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